「生理のある人」と呼ばれたくなかったので、7月21日のソフィ公式さんのツイートについて、ユニ・チャーム株式会社に意見を送った

 

先日、このようなツイートのやり取りが話題になっていたのを見た。

 

 

初任給の件については私は分からないのでコメントしない。


ただ、ソフィ公式アカウントが「生理のある人」という言葉を使ったことが気になったので、意見をユニ・チャームのお問い合わせ窓口に送ることにした。

今まで企業に意見を送ったことは、推しのアイドルが出演した番組に対して「これからも出して欲しい」といった内容を送ったことくらいしかない。
今回「生理のある人」とソフィ公式アカウントが呼んだことについて気になったというのは相当で、私にとって軽く流せる話ではなかった。

 

以下の文章を省略して短くした文章をユニ・チャームのお問い合わせ窓口に送った。

7月21日にソフィ 公式さん(@sofy_jp)のツイッターアカウントにて、
「ソフィ商品をご愛顧いただき誠に有難うございます☺️ソフィでは『7日間は、変えられる。』をスローガンに、生理のある人の生活を少しでも快適にできるような商品開発に努めています。娘さんの望む未来に貢献できる会社であるよう、引き続き努力して参ります。
今後ともよろしくお願いします」
という発言があったことについて、気になったので、突然ですが意見を送らせていただきます。
ソフィさんが「生理のある人」という言葉を使っている意図は理解しているつもりです。「生理のある人」と女性とはイコールではないという考えに基づくものだと思っています。
しかし、ツイッターでも反対意見が多数あったように、私のように「生理のある人」と呼ばれたくない女性もいます。

ご存じの通り、女性は遥か以前から子供を産む性として利用され、差別や搾取に合うことが多い性でした。一人の人間としての人格を尊重されず、「子宮」や「膣」といった男性にはない部品、「生理」や「出産」といった男性にはない機能をもった道具のような扱いを受けることが多々ありました。
私はそのような歴史や今も残る風潮を忘れることはできません。「生理のある人」という言葉は、生理という機能で人間を名付け、主体として生きる女性よりも客体として値踏みされる女性のイメージを想起させます。
もちろん、そう思わない女性もいるでしょうが、私のような女性が嫌だと思う意見も、ただの我が儘というだけで受け取って欲しくないと思います。

また、ツイッターでは私のように「生理のある人」という呼び名に反対する多くの女性がいましたが、そのツイートが引用されたり、まとめサイトに上げられたりして、嘲笑、冷笑交じりの批判に晒されています。「これだからフェミは」とフェミニストと名乗っていない人も含めて雑にカテゴライズして馬鹿にして良い対象となっています。
自分が呼ばれたくない呼び名で呼ばれたくないと主張するだけで、嘲笑や説教、侮蔑の対象となってしまうこと…それは女性であることと関係があるでしょう。女性は常に譲ることを求められる性であり、夫婦別姓に対する反対意見でも見られるように、押し付けられた呼び名を拒否することが我が儘と見なされる性でもあります。
女性か他のカテゴリの人間のどちらかが嫌な思いをしなければならないとき(今回の件では「女性」と呼ばれて嫌な人と「生理のある人」と呼ばれて嫌な人が存在します)譲ることを求められるのは女性であることが多いです。それも相手は「譲られている」という意識すら持つ必要がなく「女性は譲って当然」と見なされることが多いのです。
ソフィさんのツイートにそのような意図はなかったと思いますが、結果として「生理のある人」という呼び名を受け入れるか受け入れないかで人間を分断し、反対する人(主に女性)を我が儘で間違った人間と批判させることを促しました。
そのように分断を煽る結果となったことで、女性の中には引き裂かれるような思いを感じた私のような人もいます。そのことをソフィさんは自覚してほしいと思います。

「生理のある人」という呼び方に賛同している人も多くいることは確かですし、私が何か良い代替案を持っているわけでもありません。
できれば生理を経験する体を持つ人を(性自認とは別として)「女性」と呼ぶということにして、そういう意味で「女性」と呼んで欲しいと思います。(生理を経験する体を持つ人はジェンダーが何であってもセックスは女性だろうという考えを私は持っています)
それが困難なのであれば、必ず(省略することなしに)「女性や生理のある人」「生理のある人や女性」と併記することくらいしか思いつきません。
それでも「生理のある人」という呼び方に引っ掛かりを覚える私のような人がいることを知ってほしいと思いますし、考えていただけたらと思います。
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。
—giganticspring

私はソフィの製品である「はだおもい」や「シンクロフィット」を愛用しているし、これからも使うと思う。
だからこそ、自分の身体に訪れる症状に対処するために製品を使うことにおいてですら、不本意な呼び名で呼ばれて不当に傷つけられることに黙っていられないと思った。

送った当日にユニ・チャームから返信があり、「お知らせいただいた件につきましては、関連部門に伝えさせて頂きます」とのことだった。

 

最近、「生理のある人」や「子宮のある人」をさも配慮した呼び名であるかのように使用する人は多い。でも、私はそう呼ばれるのは嫌だし、それで損なわれるものは確実にあると思う。
今後も反対していきたい。